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2015/04/09

わもんな言葉114-微塵子(ミジンコ)学

先日、「日本に生息するミジンコはたった4個体を起源とする北米からの帰化種だった」というニュースがありました。

東北大学大学院の研究チームが日本各地の湖沼でミジンコを採集しDNAの解析をした研究結果です。
ミジンコはたった4個体を起源とする北米からの帰化種だった ―日本に生息する生物の意外な由来―
【研究概要】
東北大学大学院生命科学研究科の占部城太郎教授の研究チームは、理科の教科書にも掲載されている和名ミジンコ(Daphnia pulex:写真)が、有性生殖能力を失い雌だけで世代を維持していること、遺伝的多様性が極めて乏しくたった4タイプの遺伝子型(クローン個体)しか分布していないこと、それらすべてが別のミジンコ種との雑種であること、在来種ではなく北米から侵入した外来種であることを明らかにしました。また詳細な遺伝解析から、日本への侵入時期が数百〜数千年前に遡ることがわかりました。外来種の侵入定着は殆どの場合近年の人間活動によるものですが、数百年前の侵入は人間活動では説明出来ません。人の往来が盛んになる前にたった数個体がどうやって北米からやって来たのか、また、遺伝的な多様性がきわめて低いにもかかわらずなぜ長期間にわたって日本で個体群を維持しているのかなど、進化生態学の多くの謎を投げかけています。
本研究成果は、2015年3月30日付けで、陸水・海洋学の国際雑誌Limnology and Oceanography 電子版に掲載されました。

掲載誌や論文については確認しておりません。


プレスリリースの内容を確認したところ、北米からの帰化種だったということよりも、別の箇所に目がいきました。

それは、【研究の意義と展望】の3番目の項目にある「もし、新たな移入個体がなければ、ミジンコはやがて日本から消えてしまうことになるでしょう。」というものです。

詳細は省きますが、現在、日本に生息しているミジンコは絶対単為生殖型(有性生殖をおこなわず産卵し子を産む)で、絶対単為生殖型の生物は交尾による遺伝子組み換えがないため、有害な突然変異が蓄積したり病気になりやすいそうです。

そして、千年程度で集団の寿命が尽きるという理論計算があり、日本への侵入時期が700年~3000年前だとすると、そろそろ寿命の時期ではないか、ということです。


種の多様性は、種として長く存続していくための仕組みとも言えます。

会社や組織の存続、そして人間という種の存続としても、多様性の仕組みを学び、取り入れることができると思います。

一個人としても、新しい考え方や自分の想定外なことに出くわすことで成長する可能性があります。


本物のミジンコ(という言い方もおかしな話ですが)からも学べることはたくさんあることを学びました。