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2015/04/07

「ひらめき」と「直感」の違い

池谷裕二『脳には妙なクセがある』より引用。
 「ひらめき」は思いついた後に、その答えの理由を言語化できます。「先ほどまでは気付かなかったが、今はこの答えの理由がよくわかる。なぜならば、かくかくしかじか……」といった具合に、その理由が本人に明示的にわかります。これが「ひらめき」です。
 一方、「直感」は、本人にも理由がわからない確信を指します。思い至ったまではよいのですが、「ただなんとなく」としか言いようがない曖昧な感覚です。根拠は明確ではありませんが、その答えの正しさが漠然と確信できるのが直感です。そして重要なことは、直感は意外と正しいという点です。単なる「ヤマ勘」や「でたらめ」とは決定的に異なります。
 私はよく、ひらめきを「知的な推論」、直感を「動物的な勘」と説明しています。一言で説明すれば、ひらめきは陳述的、直感は非陳述的です。……(中略)……ちなみに、直感力は年齢とともに強くなります。経験がものをいうからです。

池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」』より引用。
 「直感」と「ひらめき」は異なるものだということをご存じですか。日常用語では両者を同じような意味で使っているかもしれませんが、脳の研究ではまったく違うものとして取り扱っています。脳機能の視点から見ると、まるで別物です。
 実際に、脳内メカニズムが違うのです。
 ……(中略)……
 脳の部位でいうと、理由がわかる「ひらめき」は、理屈や論理に基づく判断ですから、おそらく大脳皮質がメインで担当しているのでしょう。一方の「直感」は基底核です。


【ひらめき】
  • 理由を言語化できる
  • 知的な推論
  • 陳述的
  • 大脳皮質が担当

【直感】
  • 理由が言語化できない
  • 動物的な勘
  • 非陳述的
  • 基底核(大脳基底核)が担当


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